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#162『そもそも自分で話が作れないんだけど…(前回の続き)』

2023-09-29 Fri.

どうも、永田です。

CMC通信始めていきます。

今回のテーマは、「そもそも自分で話が作れないんだけど…」ということです。

前回の話の続きになりますが、前回の話は「8対2」という割合についてでした。「話す:聞く」ではなく、話す時の内容の割合。8割は同じ話でいい、と。で、残り2割も新しい話なんだけど、何度も使い倒していくということですね。同じ話にしていく。

結局、「同じ話」をすることは重要だという、そういう話でした。

「1番最初、どうするんだ?」
「2回目以降は同じ話でいいんだけど、1回目 どうするんだ?新しい 話、作れません」

みたいな。それについてお答えしていきたいと思います。

で、話を作るというのは、一言二言だったら頑張ってその場で考えれば出てくるようになるんですけど、まとまった量、例えば、3分〜5分の話をするとなると簡単じゃないですね。かなりの技術がいるし、経験がいる。

だけど、口下手な人が話し上手になる、そこを目指していくかどうかわかんないですが、

「ある程度、話したい」

という願望があると思うので、この音声を聞いてると思うんですけども。

そういう人はどうするのかと言うと、

【聞いた話】

になる。

「上手な人の話を聞いて、それを話してみる」

というのがおすすめ、というのが結論になります。これは口下手改善物語・第1話で話したと思うんですけど、そういう話になりますが、少し違うポイントからお伝えするのが今回の音声の内容です。

・・・

じゃあ、そもそも聞いた話はなぜ大事なのか、というのを少し振り返ってたいと思います。

つまり、

なぜ真似するのか?
なぜパクるのがいいのか?

と言うと、

【学ぶは真似る】

という言葉があるように、何か技術を習得するときには「真似る」から入るんです。

子供も言葉を日本語を覚えるときには、親が話してのを真似る。意味は分からなくても、見よう見まねで真似る。それは、外国語を習う時も、大人だったとしても、見よう見まねでその外人が話したことを真似る、と。

教科書で学ぶのもいいんですけど、実践的には

「聞いた話を真似る」

ところが言語学習の基本だと思います。

あともう1つ、例を出すとすれば、「お笑い芸人の養成学校」。

テレビに出てくるのはプロの売れてる芸人だけなんですけど、その下に何万人も芸人の卵みたいな人がいて、その人たちは養成学校にとりあえず入るわけです。

そこでは、もちろん教科書的な基本を習うんですけども、実践をしていくわけ。ネタを作って、ネタ見せして修正していくのを何年もやると思うんですけど、じゃあ、そのネタが面白くないじゃあどうすればいいのかと言うと、教科書で習うんじゃなくて、要は、

【うまいやつの真似】

だと思うんですね。

「あいつ、うまいぞ」という人を1人見つけて、徹底的に観察して、そいつの技術をパクる。そうやって、実際はうまくなっていくと思うんですね。

だから、同年代で切磋琢磨するのは別に競い合うだけじゃなくて、お互いの技術を盗み合う。

「見せ合って、盗み合う」

みたいなところが、実際だと思うんです。

なので、パクるというのは非常に重要だし、ネタを丸パクするんじゃなくて、アレンジを加えるし、プロの芸人も先人の話とかも、周りで聞いた話にアレンジを加えて自分のオリジナルにしてるわけだから、非常に常套手段である。

しかも、上達が早い人は、パクる技術が早い。すぐ他人のものを吸収する。だから、どんどん 実力が上がっていくし、そうやって技術を上げてくる、ということです。

落語なんか、むしろ、師匠がそれを下に教えてるわけです。自分の話したこと、内容、ネタをそのまま話してみる、そのまま覚える、ということで、弟子は師匠の口から出てきたことをそのまま暗唱するのが落語のトレーニング・訓練 なわけですから。

話す時には、とにかく真似るところが第一歩なんですね。だから、雑談力を本当につけようと思ったら、真似るところです。うまい人の話を真似る。

・・・

で、上手い人の話は、いろんなコツが入ってるし、ポイントが抑えられてるわけです。

どう話せばいいか、とか
どうやって表現すればいいか、とか
どういう言葉を使うか、とか
一言目はどうやって始めるのか
オチはどうつけているのか、とか
ジェスチャー、とか
間はどうするのか

全部、答えがそこにあるわけですね。上手い人の話の中に全てが詰まってる。だから、それを真似ることで、その感覚を取り入れていく。

ということで、

「聞いた話を再生する」

ということが非常に重要である。口下手の人は、ほんとこれやらないと絶対うまくならないと断言してもいいぐらい、重要なステップになります。

あとは、聞いた話をするというのは、

【自信に繋がる】

んですね。

実際、下手な状態で話すとなると、相手がいて下手なのにテストされてる。相手にジャッジされてるわけです。

「この人の話、つまんないな」

みたいな反応、直接言わなくてもそういう反応が見て取れてしまうので。そういうのが、下手なうちは失敗しますから、そういうので心は折れてしまうんでだけど…

「聞いた話」は、ある程度完成されてる。

自分が聞いて面白いと思うし、話上手な人が自信を持って話している内容だし、周りもウケている、と。それを別のグループ、別の場所に行って話すわけですから、ある程度言えれば、ある程度の反応は期待できる。

【最低保証がある】

という事。これが自信になるわけです。

自分の話したことがパクった話、聞いた話なんだけどもウケているのが、最初は感動すると思いますし、僕も実際、知って試した当初はかなり感動したし、実際ウケましたので、これ、かなりおすすめです。

そういう感じで、「聞いた話」というのは、まず最重要項目である、と。

・・・

じゃあ、実際にどうやって話すのか、というのを少しだけ触れていきたいと思います。

僕の話になるんで、どこまでうまい話なのかは確信を持って言えないんですけど、そこそこ聞ける話になると思います。

例えば、【ラーメン屋の話】です。

大事なのは、食べたラーメンがいかに美味しかったのか熱く語ることじゃなくて、別のところにある。

この話は、出張で千葉県つくば市に行った時の話です。

仕事は昼間終わって、ホテルに泊まっていて、ラーメンが食べたくなって食べログを検索して、ちょうど歩いて数分のところに

「つけ麺のいいお店」

があった。食べログの評価4以上だった。写真を見て、めちゃくちゃ美味しそうそうだ、と。

実際、行ってみたら並んでました。30分ぐらい待って、食べ始めた。食べながら、辛い系のつけ麺だったので、ティッシュで鼻かみながら食べてたんですけど。

で、終盤に差し掛かった時に、はたと気づいたことがあって…それは、

「周りが礼儀正しいぞ」

と。ラーメンがうまいとかじゃなくて、周りの礼儀正しさに気づいたです。やたらと待ってる時から、

「ありがとうございます」
「ごちそうさま」

と、店中から聞こえてくるんです。

実際、隣の人も食べ始めて帰ったんですけど、やっぱり、

「ありがとうございます」
「ごちそうさま」

とか、配膳を綺麗に、お店の人が片付けやすいようにまとめてる。で、そこは隣だけじゃなくて、全部のところの席が見えてたんで、そこでそうなってた、ということだったんです。

なぜか、礼儀正しい。

だから、多分、うますぎて、店に対してリスペクトを感じる。しかも、

「このうますぎる店に嫌われたくない」
「出禁になりたくない」

とか、そういう心境 なんでしょうね(笑)だから、礼儀正しく、むしろ店員よりも 礼儀正しくしてるという、そういう雰囲気が出来上がってたんですね。

妙な緊張感があった。

で、僕も感化されて、配膳されたらお礼を言う し、終わったら綺麗に片付けて、店員に向かって、目を見て、

「ごちそうさまでした」

と、深く頭を下げる。

「なんだこれ??」

と思いつつも、うまくて、リスペクトの感情が出た、という不思議な体験をした。

と、こういう話ですね。

ラーメンがうまいとか
その味付けがどうのこうとか

じゃなくて、そういうラーメンを食べに行ったという体験談。基本的には、こういう話になると思うんですね。

僕だけじゃなくて、雑談上手な人はそうだし、おしゃべりな人はだいたい言ってますね。

・・・

その他にも、例えば、

クセの強い店長がどうのこうの、とか
従業員がめちゃくちゃ怒られてた、とか
高齢のおばちゃんが元気に働いてた、とか
店員がなぜか不機嫌で接客態度が最悪だった、とか
こんな客が来てた
こんな客がこんな会話をしてた、とか

そういうことです。味とかは一切言わずに、体験談を話す、みたいな感じで(話しているのを)聞けるし、こういう話をしている。

ということなので、それを聞いて、また別のところで、家族とか友達に話してみる、ということですね。

あとは、

【周りに必ずしゃべり上手な人が1人ぐらいいる】

と思うので、その話を聞いて、別のとこで話してみる。

そうすると、最初は確かに、聞いた話を一言一句は再現しなくても、それなりの量を再現するとなると難しいんですけど、慣れれば意外にできるようになってきて、

「こうやってしゃべるんだ」
「こういう反応、もらえるんだ?!」
「こう言った時には、こういう反応もらえるんだ!」

ということで、かなりの経験値になるし、自信がそもそもつく。

ということで、じゃあ、自分の時、

「ラーメン屋に行った時、こう話そう!」

みたいなことを、いろいろ話のパターンがすでにできてるので、それを使って自分の話を組み立てる、みたいなことができるということです。

・・・

以上になりますが、とにかく【場数】を踏む。

聞いた話でパクリの話なんだけど、とにかく話す、という経験値、自信をつけるということだし、パターン・型を染み込ませる、ということです。

話さないと、パターンなんか身につきませんから。だから、

お店での出来事の話し方、とか
映画館での出来事の話し方
友達の話、とか
恋愛の話

は、パターンありますから。話し方を習得していくには、聞いた話で練習させてもらった上で、自分で話をするし…

別に、練習して技術がついた後も、「聞いた話」をしてもいいし、僕の妻も喋り上手だけど、聞いた話は2割か3割ぐらいやってるんで。

【2割】ぐらい混ぜていくのがおすすめだし、練習としては最適なので、「聞いた話」というのを確認して、実践してみてほしいなと思います。

では、以上になります。

ありがとうございました。

#162『そもそも自分で話が作れないんだけど…(前回の続き)』