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#059『何かを伝えるときの基本戦略』

2022-08-22 Mon.

どうも、永田です。

今日の話は「伝える技術」がテーマです。

ここで問題にしているのは「形式的な伝える技術」ではありません。何かをわかりやすく説明するのは「ロジカルシンキング」の分野で、今、いろんな本がありますよね?分かりやすく説明する技術。

ここではそういう表面的なことではなく、もっと曖昧で抽象的な部分を伝える、つまり、

【考え方】とか【価値観】の領域

の話です。

例えば、「仕事の進め方」。あなたも働いたことがあれば分かると思うんですけど、同じ会社・同じ部署・同じ職場で働いていても、仕事の進め方って人によって本当に違うんですね。

僕は計画的に進める方ですが…大学で勤めてるんですけど、前の職場のボスにあたる教授は真逆のタイプで、「とりあえずやってしまえ」の精神で、

「やることに価値があるんだ」
「トライすることに価値がある」

みたいな形で、中小企業のイケイケの社長なんですよね(苦笑)

もし失敗してもいいから、やってしまえみたいな。色々考えるのがめんどくさいから、やってしまえ、みたいな感じなんですよね。そこら辺がぶつかったんですけど、そこは(仕事のやりかたを)調整した、と。

あるいは、例えば、特にやりたいことはないんだけど、「言われたことを淡々と進めるタイプ」とか。学生さんに一部多いんですけど、「みんなでワイワイやりたい」とか、「淡々と進めるのは嫌だ」とか、そういう感じですね。

「仕事の進め方」だけではなく、「プライベート」でそういう違いは出てくるんです。

恋人同士でも…価値観のあう恋人、そういうことで付き合い始めたと思うんですが、違うんですよね。例えば、デートでも、

「ゆっくり過ごしたいのか」
「色々詰め込んで見て回りたいのか」

とか。意外に恋人同士でもこういう時間の使い方で全然違ったりするので、そこを放置していると関係性がギクシャクし始めるんですね。

すごい小さな問題なんですけど、これがゆくゆく大きな問題に発展してくんです。1年〜2年経つと、そこら辺で破綻してしまうんですが…

恋人同士だったら破局を迎えるとか。
仕事のパートナーなら、一緒に仕事しないとか。

友達でも遊びの予定の組み方が違うと、「何か違うな」って感じで、1年して疎遠になってしまうとか。

そういうちょっとした歯車の違いが、時間とともに大きな問題に発展していく。

だから、ここでお伝えしてる伝える技術は、

【深い関係になった時に、それを維持するためにもっとも必要な技術】

だと僕は考えています。

・・・

どうすればいいのかということなんですが、ここでお話しするのは…「伝える技術」と言っても、色々あると思うんですね。で、お伝えするのは、すごい基本的な考え方の部分です。

じゃあ、何が一番重要なことかと言うと、結論から言いますと…

【何回も伝える】

って事です。

当たり前でバカみたいなことをに聞こえるんですけど、近しい関係性になってしまうと、お互いに「わかってほしい」という気持ちが先行して伝えようとすると、うまく伝わらないのでストレスを抱えてしまうんです。

で、本当に重要なことなんですけど、忘れがちなのは「何回も伝える」こと。

1回話して伝わらなかったら…僕も覚えはあるんですけど、諦めるとか、怒っちゃうんですよね(苦笑)怒りを相手にぶつけるかどうかは別として、内心で怒って。

そうではなく、何回も伝える。

例えば、【半年】とか【1年】かけて、タイミングをつかんで伝えていくんだから、こちらにも余裕があるんですね。

1回伝わらなかったら、ガクッとするんじゃなくて。そういう期待をするんじゃなくて、

「生温かく見守る」

という感じで。相手の理解が醸成されるのをまつ、ということです。半年〜1年かけて伝えていく。だから、1回1回の結果は別に気にしない。だから、余裕が生まれるんです。

意外に慣れてないと、例えば、仕事の仕方で上司と食い違ってギクシャクするとか、恋人同士でギクシャクし始める。そういうのがあるんですね。

マインドセットとして、これを当たり前のこととして身につけると、近しい関係性のあり方が変わってくと思います。

・・・

じゃあ、例えば、具体的にどういう話があるのか?と言うと、僕の例を挙げますね。

僕は家族で沖縄に毎年行きます。

何回も音声でお話ししたと思うんですが、そうやって3月頃、沖縄旅行にいきます。

で、もちろん、沖縄旅行に行く場合は「レンタカー」を借りてあちこち見て回るんですけど、運転するのは僕で、妻と子供はもちろんてしない、と。

妻が旅行で張り切って、あれこれ予定を詰め込むんですね(苦笑)

【移動時間】を考えてない。

こんなに午前中に何個も行けるわけないのに、普通に…

「ここと、ここと、ここに行きたい!」

という感じで予定を組もうとして。

「そこら辺は行けないよ」

と普通に冷静に突っ込んだら、(妻が)怒り出して喧嘩になってた。最初は。

実際、やってみると、本当にパンパンに予定が詰め込まれてるんで、疲れてしまう。へとへとになってしまう。

で、そこら辺でかるい喧嘩が、最初の頃、起きました。

こういう風に、旅行の時に、

「ゆっくり旅行したい」
「予定をつめ込みたい」

って人がいるんですよね。結婚したから相性が合ってるかと思いきや、ここら辺は全然違ったんです。

合わない部分は必ずあるんで、どうしたか?という話です。

ここを放置してると、関係がギクシャクし始める。ストレスになるんです。

どうしたかというと…毎年行くので、1年ごとに少しずつ予定を削っていきました(苦笑)

「こんなに時間かかるよー」とか
「こっからここまで1時間以上かかるけど、どうする?」とか。

少しずつ理解をして行ってもらったんです。運転してないから、移動時間がどのくらいかかるかと考えないし、口で言ってもあまり伝わらない。

「実際、こんなにかかったよ」

と移動し終わった直後にいう。

「(調べたら)移動時間が分かったよ。どうするの?」

とか。

すると、少しずつわかってくる。「移動時間がすごくかかる」っていうのが。

結局、最後は、旅行するとき、

「(行きたいところは)午前中に1個、午後に1個」

とか。そういう風に、子供もいるので、午前・午後で1箇所ずつ分けるルールにしたんです。

もちろん、上から押さえつける感じではなく、少しずつ、

「こんな時間かかるよ」と。
「ここからここ、すごい時間のロスするから」とか。

理解を醸成するのもあって、何年もかけてそういう風に家族間のルールになっていた、と。

これが今では当たり前になって、ストレスなく、互い楽しめる。

妻は移動時間がすごい時間がかかるのがわかってきて、

「じゃあ、ここ行くと遠回りになるから、ここは削って」
「ここはどうしても行きたい」

みたいな感じで、今は沖縄旅行は楽しく行ける、という感じなんですね。

だから、僕が考えるルールを理解してもらってたんですけど…僕もそこまで厳密に予定を立てないようにしていきました。

空きの時間を入れて、そこで妻が思いついたところに、カフェとかお店によってみる、と。思いつきでその日に予定を立てても、かなり余裕があるんで、そういう風に思いつきで行ってみる、とか。そういう楽しさも覚えた。

だから、両方がお互いの考え方・価値観に歩み寄った結果だと思いますね。

もちろん、旅行だけでなく、デートの組み方とか。友達同士だったら、遊び方を少しずつすり合わせていく、と。すると、よりよい関係性になるんですね。

・・・

ここは放置したり、一方的に怒り出したりすると、関係が破綻しちゃう。

何のための友達とか恋人なのか?ってことになるわけです。

妻だからといって、何から何まで同じではない。人によって違うんです。

妻の場合、驚くほど「時間感覚」がない。

「ここからここまでの移動時間、分かるでしょ?」って、何回も口で説明しても、

「あ、そうなの?」とか
「考えてなかったわ」

って毎回言われるんですね(苦笑)カチンとくるんですけど、

「実際、(移動時間は)こんなの。わかるでしょ?」

って言って、実際に移動し終わった直後にいうと、効果的だったんですけど。そういう風に少しずつ伝えていく。

価値観が違うんですけど、一方的に伝えるというより、

【価値観を共有する】

というイメージです。

近しい関係なので、何年も付き合うわけですから、これを少しずつやっていく、と。

1回言ってダメだったら、諦めるとか、怒り出すとか。そういうことではなく、少しずつです。そうすると、決裂は防げるし、価値観を共有したらより楽しくなる関係性になるわけですから。

というわけで、そういう価値観とか考え方に関して伝える時は、何回も伝える。

何年もかけて伝える、というマインドセットが非常にお勧めだし、これをやらないと決裂してしまうよ、というお話でした。

では、ありがとうございます。

#059『何かを伝えるときの基本戦略』